2018年夏合宿報告
Party名 THE 海岸 DASH @西表島南海岸

報告者3年 北村
メンバー 北村、高山、廣川、飯田、石川、中村、原田、柳田

 今年は創部60周年というワンゲルにとって節目となる年で、ここ最近の部員数低迷を打ち破る6人の一年生が入部してくれた。また、今年は一次新、二次新、プレ通じてほとんどが天気に恵まれており、入部してから二回とも骨折で行けなかった私としては、非常に楽しみにしていた最初で最後の夏合宿であった。

 

8月5日(土)出発式
 今年は部員数も多く、試験の都合などが合わず、各自空港での集合となった。そのため、出発式も少し早めに行われた。
 出発式には星さんと吉田さんがきて、吉田さんは使い切りタイプの洗剤、星さんは本4冊、イルカのフロート、デスソース、多少のおやつなどを頂いた。送られる側としては初めてなので、あまりいい反応はできなかったと思うが、いよいよ始まるんだなという気持ちと月曜に残っていた3つの試験勉強をしなければならないという気持ちの二つが交錯していたと思われる。

 

8月7日(月)仙台→東京
3つの試験を無事(?)終え、深夜バスで東京に出発した。出発時間ギリギリになって高山がゼェゼェ言いながら乗り込んできたのを発見。こういう大事なイベントには余裕をもって来てほしいものである。結局同じバスに4人乗っていたことが東京駅着いてから判明した。

 

8月8日(火)東京→成田→石垣
 飛行機の出発時刻は10時30分ぐらいだったが、全員8時には集まることができた。私にとっては高校2年生の研修旅行以来の飛行機で、さらに初めてのLCCということでワクワクとドキドキだったが、座席と前の座席の間隔がとても狭すぎて、とてもじゃないけど人を運ぶものではないと感じた。もう二度と乗りたくない。
 石垣空港に着いたあとはバスで市街地へ行き、宿に向かい一通り整理したのち買い出しに向かったが、買う量が多すぎる。改めて部員がたくさん入ってくれたことを実感した。その後買い出ししたものを詰めなおしたりしているうちに夜9時に。宿の人に店を聞き、いい感じの居酒屋で食い納めをした。

8月9日(水)夏合宿一日目 石垣→西表島大浜港→南風見田キャンプ場→大浜
前日夜遅かったこともあり、予定時刻より15分遅れて起床した。が、起きていたのは柳田ただ一人だけであった。急いで全員起こし、港へ。ギリギリ間に合った(汗)
西表島の港は日本の端のほうにあるのも相まって、旅の終着点という感じがした。これから活動を始めるのに…。タクシーの待ち時間に周囲を軽く探索しただけなのに、カニやトカゲなどがゴロゴロいた。青葉山でもこんなには見かけない。それほど自然が多いという証拠であろう。
タクシーに乗って南風見田にある「イリオモテヤマネコ発見の地」の記念碑がある地点へ。そこから1分半ほど歩くと、綺麗な砂浜と海!ちょうど干潮直前の時間帯で、リーフ(サンゴ礁)が海岸線から100mほど離れたところで顔を出していた。
進んでいる最中にも高速で移動する白いカニや真っ青な小魚、4~50センチはあるだろうというウミヘビ(石川はウツボと言い張って全く譲らなかった)など見たこともない生き物が多く、やや遅いながらも、黙々と(今年の一年、歩行中は非常におとなしい。もっと騒ぎながら進めば楽しいと思うのだが)進んでいた。途中から海岸線が岩場となり、リーフの上も歩いたりした(中村と高山は濡れたくなかったらしく、岩場を歩いていた)
 でかい揚げ豆腐みたいな岩を越えたあたりから、太陽の暑さに自分含む部員がやられてきた。それに加え、太陽はちょうど頭の上にあり、日陰もほとんどない。休憩を多く挟みながら15:20分ごろに一日目のテン場である大浜に到着。ウミガメが通った後もたくさん残っていた。
 エッセンは冷しゃぶの予定だった。どうやって冷やすのかが全く分からなかったが、様子をみていると肉をジップロックに移し、沢の水で冷やすという匠の技をみせてきた。結局、肉は冷えず、時間がかかった割にはなんとも微妙なものが完成した。1/4丁の豆腐がそのまま肉の上に乗っかっていたのは衝撃だった。豆腐はちょっと酸っぱかった。
あたりが暗くなると、もうなんと表現すればよいかわからないくらいの綺麗な星空が一面に広がった。幸運なことにちょうど流星群の時期であり、さらに新月という最高の条件であった。ピーク時には1時間に15個ほど見られるというニュースをちょっと前にテレビでみたが、ピークもまだ迎えてないのにも関わらず、1分間に3、4個は見られた。
ここで見た星空はたぶん一生忘れないだろう。暑かったのでテントから頭を出して星空を眺めながら寝た。最高だった。

 

8月10日(木)夏合宿二日目 停滞
 日の出が遅いので4時に起床。朝はパスタ。今年度になってから朝食は作りやすいものが多い。朝に弱い人が多いからであろうか。私もその一人ではあるが(笑)
 出発の準備をしているときに突然原田が声をかけてきた。「先輩、じぶんだけ帰ってもいいですか?」と。衝撃を受けた。あんなつらい行程だったのに一人で帰るだと?( ゚Д゚)ハァ?(←たぶん最初はこんな顔していたと思う)と一瞬思ったが、よくよく聞くと体調が悪いという。そういえばと成田空港か宿かで体調があまりよくないという話を聞いていたことを思い出す。行動前でよかったと思いながら、とりあえず一日様子を見ようということで停滞を決定。しかし、時間が経つにつれてどんどん体調が悪化してきた。すると高山が親に電話。そして診療所へ相談したほうがいいということをうけそのまま診療所へ電話。こういうときの高山一家は頼もしい。私も親に連絡したが、病院へ!救急!としか返って来ず、こんな秘境でどうやって連れてくねん…と思いながら原田の容態の回復を待った。
 診療所に電話してくれたところ、動けるようになったら戻ってきたほうがよいということだったのでエスケープすることに。残念だけどしょうがない。停滞している間に西表の海を楽しむことにした。
 前日の暑さで頭がおかしくなってしまったのだろう。ウミガメの真似をして砂浜を這って(もちろんウミガメの卵がない場所で)いたり、濡らしたくないが裸で海に入りたくないからとTシャツを履くようにして海で泳いだ人がいたり、西表島の海を楽しんでいた(こんな楽しみ方でいいのか!?)。
 昼頃になると干潮の時刻でもあるのでリーフの先端に行き、釣りをした。
エサを落とすと速攻で食われるが、引っかけるのが下手でなかなか釣れなかった。しばらくエサやりをしたところでついにヒット!25cm程度の魚を釣ることに成功。その後飯田と石川が一匹ずつ釣った。釣った魚は浜に戻って塩焼きにして食べた。(石川のはカサゴだったので断念)釣った魚をその場で食えたので一応夏合宿の目的の一つは果たせたのかなと思う。
 潮が満ちてきたあたりで原田の体調が回復してきた。夕方にはほとんど問題ないレベルまで回復した。このままだと先に進めそうだなと思ったが、また倒れられると困るので決めたとおり戻ることにした。
 夜はカレー。例のごとく時間がかかった。来年までにはなんとかしてほしいところ。
 暗くなるとまた綺麗な星空がでてきた。この空を見られるのは今日が最後だ、そう思うとなんかさびしい気持ちになった。それと同時にまた来てみたいという想いも湧いてきた。

 

8月11日(金)夏合宿三日目 大浜→南風見田
 4時に起床。前夜より涼しい夜だった。むしろ寒いくらい。朝食はちらし寿司。 米炊いて素を混ぜるだけなのになぜか時間がかかった。エッセンは永遠の課題かもしれない。なるべく暑くなる前に進んでおきたかったが、原田の体調を気遣い、彼の歩荷を減らした結果、残りのメンバーの歩荷が恐ろしいことになり、意外と時間がかかった。
 途中、中村が岩場を少し進んだところで突然叫んだ。何事かと聞いてみると灰色のネコっぽい動物が岩場を登って行ったということ。まさかとは思うが、それっぽい動物が他に思い当たらないということでイリオモテヤマネコだろうと認定した。彼は興奮を隠せていない様子だった。
 さらに進むと潮が少しひいて歩けそうだったのでリーフの上を進んだ。が、あまりに歩荷が重かったので私はザックを海に浮かべて進むことにした。みんなの呆れた視線は忘れられないが、とにかく重かったのだ。しかし、潮がさらにひくとザックが進まなくなった。仕方なく背負ったが、二次新どころか歩荷練でも経験しない重さになっていた。なかもビチャビチャだし、後悔しかなかった。
 とにかく暑かったので、行きと同じく休みながら戻ったため、12時頃に生還。少しスタート地点の記念碑で休んだ後(スマホの充電器と書類が入ったファイルが浸水してることに気付き、さらに後悔する)診療所に向かったが、特に問題はなかった。まあ無事でなによりである。

こんな感じで今年の夏合宿は終了した。3年間の集大成がこんなにあっさりと終わったことに対してヤケになっていたとはいえ終了後に自暴自棄になって投げ出したのは申し訳なかったと思っている。(夏合宿に参加するのは初めてだったので、締め方がよく分からなかった、というクソみたいな言い訳も一応付け足しておく)


 特に今年は冬場に部員が二人減って、サークル棟の改修があるため狭い部室に移って、さらに一年生が上級生の合計より多くなったうえに(増えたことは非常にうれしいです、念のため)海岸歩きという初経験のことをやるという非常に厳しい状況ではあったが、なんとか無事に活動を終えることができた。

 

 最後になりますが、4年の星さんやOBの吉田さん、過去に実際に西表島にいって、情報を残してくださったOBの皆様、出発直前の期末にも関わらず活動報告をおくってくださった法政大学ワンダーフォーゲル部の皆様方の協力のおかげで夏合宿を無事に実施することができました。厚く御礼申し上げます。本当にありがとうございました。