3プレ(朝日連峰縦走)報告

 

 

 部室から車を走らせ、45時間、午前2時頃に朝日鉱泉に到着した。テントを出す苦労を惜しみ、車中泊することとなったが寝心地は最悪であった。起床時間は午前5時、朝食を食べ、車外に出るが、ガスで大朝日岳山頂を望む事はできない。パーティーメンバーは高山、廣川、石川、中村、柳田である。私をトップとして午前6時の出発となった。吊り橋を渡り、最初の分岐を右に曲がったところから急登が始まった。傾斜が緩やかになり、尾根に出たところで、コンパスの使い方を教えてもらう。見慣れたブナ林を抜けると、次に広がるのは湿地である。景色はきれいであったが、そこの水場はとてもまずかった。要浄水器である。鳥原山を少し過ぎると、展望台がある。そこで景色を眺めながら昼食をとった。そこから小朝日岳までの道をかけぬけ、休憩をとる。急激な坂を下り、再び登り返すと、大朝日岳へと続く美しい稜線へと出る。絶景を眺めつつ進んだところで、日本一美味しいという水場に着いた。柳田は東北一の水かもしれないが、日本一の水ではないということを主張し続けていた。彼曰く、日本一の水は徳島にある水らしい。私はというと、とりあえず先輩の言うことを聞いて、この水は日本一だということを主張しておいた。実際、とても冷たく澄みわたっている美味しい水だった。水場での休憩を終え、少し登ると、大朝日小屋に着く。そこからエッセンを開始するまでの時間を思い思いに過ごす。日没前になると、小屋の前は登山者で賑わっていた。遠くの山を指さし口々に名前を言っていたが、山に登り始めて3か月ほどの私にとってはさっぱりであった。遠くに見える数々の稜線を照らす夕日はとても美しかった。しかし夕日と同じオレンジにしても、その日の夕食のケチャップライス&紅茶はひどかったメニュー考案者の飯田曰く、夏合宿前の練習であったらしい。が、結局夏合宿でケチャップライスを作ることはなかった。ちなみに私はハムを千切りのようにしてケチャップライスに入れたのだが、4,5か月たった今でも柳田はその切り方を揶揄してくるのである。しかし、ボランティア精神に溢れ、かついかなる仕事もそつなくこなす彼、はたまた自主休講することも少なくなく、一時期は八木山に籠城していたこともある私、のいかなる弁解も彼の耳には届かないのである。翌日、朝日を見るため朝早くに起床し、エッセンをしていると、寝ていたおじさんに怒られたため、外ですることとなった。前述の水(名を銀玉水という)を使って作ったラーメンは、今年一番美味しいエッセンだったと思う。中村をトップとして早々に小屋を出発し、大朝日岳山頂に到着したが、生憎ガスがひどくなにも見えない。しばらく待ったのち、仕方なくその場を後にすることとした。後は朝日鉱泉を目指し、下山するだけである。途中巨木を見にいったり、尾根角が変わったところで現在地を特定する方法を教えてもらったりして、無事下山した。帰りには、温泉と食事を楽しみ、帰路についた。今回の山行では、朝日連峰の雄大な自然、豊かな水源を身で感じることができた。また来年もこれたらいいと思う。